2015年夏、異彩を放っていた深夜ドラマ「山田孝之の東京都北区赤羽」。
ドキュメンタリーとドラマの狭間で、個性的な市井の人たちがそのままの姿で暮らすの中に突如として悩める山田孝之が入り込む奇妙な感じに、きわい不快感と僭越と思いながらの地味な同感を憶えてすごくモヤモヤする作品だ。当初は完全なモキュメンタリーとも見られていたようですが、境があやふや過ぎてドキュメンタリーとしか思えない。
http://www.tv-tokyo.co.jp/akabane/
山田孝之さんはものすごいポテンシャルをもった役者さんなわけで、その人が悩む姿は説得力がありすぎて。嘘にはホントの事を混ぜるとわかりにくいというけれど、切れ目がまったくわからなくて見るたびに混乱する。そこら辺がおもしろいんですけどね。(しかもとってもリア充だ。)
中で、「10年役者を休む」と山田孝之さんが言い出すのですが、この言葉に私自身が凄く引っかかって。10年は大げさなんですが、前向きに出来ないことはもう辞めちゃってもいいのかもしれないと正直思ったり。
このまま生活の為に続けても元気に動ける年齢はそんなに長くない。ならばイチからリセットしてみたいという思いにかられる瞬間が頻繁にあります。
生活を整え、体力をつけ、レイヤーを変えて自分の見える世界の為に時間を使いたい。
世界の為に何を?と考えるとまだ何も見えていないわけで。このドラマのきわい感じは私自身がそう感じていることから来る自己嫌悪のようなものなのだ。
そして私自身の東京都北区赤羽の時間が始まっていくのかもしれない。
未だ迷うなんてお前いくつなんだよ!って突っ込みたくなるけどね、自分で。
でも若いころはまったく迷いもなく生きていたので、今更迷うのかもしれません。
大根監督がいたってまっとうな視聴者代表に見えてキュートでした。